★映画『風たちぬ』は面白かった。(皇紀2673.7.22)

映画『風たちぬ』を観て来ました!面白かったです(o^^o)

まあ、面白いという表現が適切かどうかは分かりません、正確には泣ける作品でした。

「宮崎駿が嫌い」という人も、まあ、観てから判断して欲しい処です。

個人的な意見としては、ヒロインが結核になる部分の話は余計だったと思います。(…ヒロインが「病気になる」という展開はベタすぎる気がしました)

私自身も結核になったことがありますが、あれは栄養状態が悪い人が成ると重篤になるし、栄養状態が良い人の場合は、罹患しても重篤にならず自然治癒するものです。
…で、ヒロインはというと、広大なお屋敷に住むお嬢様といった感じで、んな薬石効むなしく死んでしまうという展開がリアリティが無かったです。

一方、成程と思ったのは、ドイツ人に変装したアメリカのスパイが、主人公に国家機密(零戦開発)の内容を諜報する為に、善人のフリして近づいてくるシーンです。

しかし、ドイツ人なのに「ヒトラーは狂人だ!」とか、所々不審な発言をするので、注意深く観てる観客には気づくような脚本になっておりました。しかし、主人公は気づいて無いので、どうして自分までが特高警察に尾行されているのか分かっていません。自分が国家から疑われているのか?と疑心暗鬼になったりします。

…で、日米開戦の直前に、ドイツ人に化けたアメリカ人スパイは、情報だけを引き出してアメリカに消え去ります。

…そして、ABCD包囲網やハルノートで、日本に開戦の引き金を引かせ、まんまと日本を悪役に仕立てアジアの独立を阻止するという筋書き通りのシナリオに乗せられていくのです。

不満を言えば、
1.日本が何んの為に戦ったのかという説明がなされていないこと。(「言わなくて分かっているでしょう」ということなんでしょうか??)

2.「技術者は、戦争に勝とうが負けようが「巻き込まれただけで責任はない」という無責任論・免罪符的なことを言いたいかのようなシーンが何箇所かある点。(これは余計なシーンだと思いました)

3.ジブリ作品に共通の「【天皇という存在】の不在」に関する違和感。(日本は、開闢以来、天皇陛下の存在と共に歴史が成り立っている日本の中で神聖不可分な存在であるにも関わらず一言も言及されていないこと。

これはジブリ作品に共通する気持ち悪さなのですが、今回は大東亜聖戦のまっ唯中にも関わらず、まったく言及がされていない点が、「神聖にして侵すべからず」という立場から登場しないのでは無く、存在を無視したいが為に登場しないのでないかと思える点です)

まあ、以上のような違和感が若干ありましたが、ラスト近くの零戦が飛ぶシーンでは無条件に涙が込み上げました。

(※映画のチケットと引き換えにこのような手紙を頂きました。中身は観た人だけのお楽しみ…)

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