天御中主尊に始まる『藤原氏系図』(個人蔵・江戸初期 京都本)
★藤原氏のY染色体ハプログループは【O1b2a1a1】(平成25.10.9,-更新 平成29.9.27)
日本の氏姓の最大勢力と言えば、「源氏・平氏」に代表される天皇家から臣籍降下した「皇別系賜姓氏族」である。この氏族は極めて多い。
源平に限らず、橘氏・紀氏・在原氏・安倍氏・高階氏・小野氏・日下部氏なども総て天皇家から臣籍降下した「皇別系賜姓氏族」なのである。
これらは、臣籍降下時期が違えども、生物学的に見ればY染色体ハプログループは総て同じ系統に属するのである。
そして、「皇別系賜姓氏族」以外の雄は、天孫降臨から供奉してきたと伝わる「天神系賜姓氏族」である「藤原氏」の系統である。
藤原氏の始祖大織冠藤原鎌足は、もと「中臣氏」を称し鎌足が藤原姓を賜ってからこの氏族が大いに繁栄した。中臣氏の始祖は「天児屋根命」で、『談山神社』・『春日神社』に祀られている御祭神がこれである。
…では、藤原氏のY染色体ハプログループは何か?
興味深い事例として、昭和25年(1950)3月22日に調査された中尊寺の奥州藤原氏四代のミイラがあげられる。
この時の調査に依って「藤原清衡(AB型)、基衡(AB型)、秀衡(A型)、泰衡(B型)」などと血液型が判明したのみならず、身長・体形・頭蓋の計測などによって、奥州藤原氏は蝦夷(アイヌ人)とは形質が全く異なるということが判明し、「弥生人」的特徴を備えた人と結論づけられたのである。すなわちハプログループD1b(D-M64.1)的な特徴が見当たらなかったということなのである。
ということは、消去法で考えられるのは、藤原氏のY染色体ハプログループは【O1b2a1a1(O-CTS11723)】ということになりそうなのである。
ちなみに藤原鎌足から藤原泰衡までの系譜は「鎌足公(大職冠)―淡海公(贈大政大臣 藤原不比等)―房前(贈大政大臣)―魚名(左大臣)―藤成―豊澤―村雄―秀郷(俵藤太)―千晴―千清―正頼―頼遠―経清―清衡―基衡―秀衡―泰衡」である。
(※『中尊寺藤原四代の遺体調査』に関してはこちらへ)
※平成29年(2017)9.27 ハプログループの表記を更新しました。
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