「焼き場に立つ少年」ジョー・オダネル(オピネル)軍曹撮影


(『Z旗新聞』主筆N氏のコメントをシェア、下文に拙感想を附す)(皇紀2672.7.11)
★この写真をご存知でしょうか。敗戦後の日本を撮影しに来た米軍のカメラマン、ジョー・オダネル(オピネル)軍曹の撮影した日本の少年です。皇后陛下は平成19年の地久節に際し文書回答した中で、この写真に触れられました。
「今年8月の新聞に,原爆投下後の広島・長崎を撮影した米国の元従軍カメラマンの死亡記事と並び,作品の一つ,焼き場に立つ少年と題し,死んだ弟を背負い,しっかりと直立姿勢をとって立つ幼い少年の写真が掲載されており,その姿が今も目に残っています。同じ地球上で今なお戦乱の続く地域の平和の回復を願うと共に,世界各地に生活する邦人の安全を祈らずにはいられません」(引用ここまで)


(ここから私の感想)
★私は何年も前にこの写真を見て思わず涙が出ました。
ハーグ陸戦条約に違反して大量破壊兵器を用いて非戦闘員の多くを虐殺した米軍。総てが原爆で吹き飛ばされた街を見て涙を流すことなく直立不動で毅然と立つ少年。背中の子は死んでしまっているかもしれません。けれど現実を直視している姿。

原爆投下後の長崎で、ジョー・オダネル軍曹が撮ったこの有名な写真を、スイス・ジュネーブの国連欧州本部に新設された原爆常設展示の準備段階で長崎市がこの写真を提案したところ、国連職員たちの委員会審査であっけなく却下されたそうです。 理由は直立不動の姿勢が軍隊みたいだとかこの子は悲しいのに泣いていないじゃないかという物言いがついたらしい。

…この話ともうひとつ、東日本大震災で海外のメディアが日本に取材に来た時、被災地で取り乱し泣いている人が居ないのを見て躊躇(うろた)えたそうである。

外人の感覚は、悲しいときに泣くものらしい。そして大災害が起きた時はパニックになって暴動が起きるものらしい。彼等はそういう映像を撮影したくてやって来たのだろう。

子供の頃みなさんも親から「泣きごとを言うな!」と叱られたことは無いだろうか? 「泣く」のは容易いことである。しかし、泣いて何が解決するのか?…本当に悲しい時は涙すら出ないんじゃないだろうか?
そして、一人一人が自分を律することが出来、現実を受け止めようとするから泣いてなんかいられない。…そういう「泣く」ということを遥かに超越した精神状態を彼等外人は、理解できないんでしょうね。

この写真は子供が泣きもせず、うなだれたりもしてないから余計に泣けるんです。

そして、私はこの一葉の少年の写真は、極めて日本人の姿そのものを写した写真に思えてならないのです。

■HOMEへ